恋のドロ沼に向かうスピードは速い方がいい

恋に落ちるスピードは速い方がいい

世の中には、恋愛ごとが上手な男女がいる一方で、まったく苦手という男女も数多くいる。

恋愛ごとが上手な人達は、どういうわけがいつでもサッと出会い、スムーズに関係を深め、お互いの中で存在を膨らませ、そして人生をより良い方向に向かわせているように見える。

少なくとも恋愛が苦手な人たちからはそう見える。

しかし恋愛が苦手な人たちはそうじゃない。

異性と知り合うことがまず難しい。最近ではマッチングアプリなどがあり、出会いの部分は誰でも乗り越えられるので便利な世の中になったが、会ってみたところで上手くいかないだろう。

「会ってカフェでお話をしましょう」

せっかくそんな場面に恵まれたのに、30分くらいお喋りをしたらお開きに。

「駅まで送りますよ」そう男性が言っても、女性は「いえ、いいんです。途中で寄るところがありますから・・・」と遠回しに断り、スタスタと雑踏に消えて行ってしまう。がっかりして家に帰る道すがら、LINEの通知音が鳴る。さっき会っていた女性からだ。

「元カレと急によりを戻すことになりました。もう連絡できません。ごめんね」

”嘘つき。僕のことが気に入らなかったんだろ”

そう呟きながらメッセージを消す。

あるいは恋愛が苦手な女性も似たような経験をする。

一生懸命に話題を振ろうとしているのに、相手の男性は「はい」「いいえ」「そうですか」の繰り返し。きっと私と会って見た目でがっかりしたんだね・・・と落ち込んでしまう。

お開きになって家に帰る電車の中で相手にLINEを送るけれど既読にならない。調べてみるとブロックされている。

慣れないけれどお洒落をして楽しみにしていたのに、どうしてこうなるのだろうと、その日の夜は落ち込んで眠れなくなる。

こうなってしまう原因はなんだろうか。

見てくれで判断するのは幼稚な人間

実のところ、相手の見てくれだけで相性を判断する人など多くはない。

ごく一部の幼稚な男女だけだ。いい年の大人になったら、多くの人は見てくれではなく内面から感じ取れるものに恋をする。

もし初対面で相手に好まれなかったとしても、見てくれだけが決して問題ではないのだ。

しかしだからといって、その「内面」が何を意味するのか、恋愛が苦手な人は理解できない。

内面とは何だろうか。優しい?誠実?真面目?面白い?きっとそういうものを内面だと考えがちだと思う。

しかし恋愛において内面とは、スピード感覚の相性のことだ。

そのスピードとはどこに向かう時の速度のことなのか?それはセックスでもなければ同棲でもない。

ドロ沼への続く一本道を、どのくらいのスピードを出して走っていくつもりなのかということ。

恋愛のスピード狂たち

ドロ沼というと語弊があるかもしれないが、それでも恋愛とはドロ沼でしかない。

恋愛に生産性などひとつもないものだ。恋愛をしないほうがお金を捨てずに済むし、時間も節約できるだろう。感情的にも時々混乱を招く。人によっては精神的な病気になったりもする。

それでも恋愛をするというのは、泥んこ遊びが楽しいという感覚だ。泥んこの中で遊べば、服は汚れ、足を取られて転び、たまにケガをし、全身が汚れてしまう。家に帰れば母親に怒られてしまうだろう。しかし、泥んこ遊びをしたことがない人には想像がつかないひとつの感覚を手に入れることができる。

泥から足を抜いたら靴が脱げちゃったよ・・・というあの笑いながら仲間に言う感覚だ。おしっこ漏らしたけど面白かったね的な。

でも楽しかったね、また遊ぼうねと言い合いながら家に帰っていく。

そのドロ沼まで向かうスピードが速いかどうかが、実は恋愛において「内面」と呼ばれるものなのだ。決して「あの人は横断歩道のおばあちゃんの手を引いてあげそう」などということが内面ではない。もしそうだとしても、恋愛には全く影響がない。

それは恐怖をともなう

しかしそのスピードが速すぎると、恐怖を感じてしまう。

ガードレールの無い狭い山道をぶっ飛ばし、高波を被る海辺の道をワイパー全開で走り抜けて。

「このまま事故ったらどうしよう」

「戻れなくなったらどうしよう」

恋愛が苦手な人たちは、相手がスピード狂であるほど身構えてしまう。破滅的なほどに暴走行為をする男女が放つ危険が香りに足がすくんでしまう。

しかも、これは見てくれでは分からないのだ。派手でいつも遊んでいそうな女の子がこのスピードに怯え切っていたり、一方で清楚で大人しそうなワンピースの女の子が恋愛ハイウェイをターボを効かせて走り抜けたり。男も同じで、見た目では分からない。

もちろんスピード狂たちが事故るわけではないし、のろのろ運転しかしない人達だって事故るときは事故って死ぬ。

しかし、恋愛強者はこのスピード感の相性を見ている。それは言葉の節々に現れる。見た目では分からないのだ。

「やめときなよ、私のクルマには乗らないほうがいいよ」そう思われた時、男は切り捨てられてしまう。

残念ながらマッチングアプリにはこのスピード狂はほとんどいないわけで、相当な数をこなさないと相性のいい相手とは巡り合えない。

「のんびり好きになるのはダメなの?」と言うかもしれない。

ダメではないが、のんびりしていたら置いてかれてしまうだけ。

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アキラ師
アキラ師です。The Suburbiaを主宰しています。恋愛系オウンドメディア「Love Rescue」編集長。ブロガー、セールスライター、経営者、元男娼。2007年からブログを書いています。

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